アトピーの基礎知識
2017年09月14日更新 2016年12月22日公開

なぜアトピーが白内障を引き起こすのか

アトピー性皮膚炎と白内障は一見すると結びつかないかもしれません。しかし、近年の研究により、この2つの病気の因果関係が段々と分かってきました。その理由と予防法を、ドクター監修の記事でお届けします。

子供に多いというイメージがあるアトピー性皮膚炎と、老人に多いというイメージがある白内障は、一見すると結びつかないように思います。しかし、アトピー性皮膚炎の合併しやすい病気のひとつに、白内障があることが近年の研究により、データとして発表されています。この2つの病気の因果関係について見てみましょう。

アトピー性皮膚炎とは

ときに猛烈なかゆみをともなう症状が、くりかえし続くのがアトピー性皮膚炎です。近年、研究は進んでいるものの、未だにはっきりとした原因が特定できておらず、現段階では、完治させることができないというのもアトピー性皮膚炎の特徴です。しかし、寛解(かんかい)といって、病気をコントロール下におき、不快な症状を抑えることは可能であると考えられます。つまり、治療の目標は寛解の維持ということになります。

白内障とは

目のレンズである水晶体が、白色や茶褐色に濁り、ものが見えにくくなる病気です。始めのうちは、白く霧がかかったようになり、視界がかすんだり、乱反射して光がまぶしく感じたりします。ときには、ものが二重、三重に見えるケースもあるようです。症状が進むと、最終的には失明することもあるといわれています。

一般的には加齢にともなって発症することが多いため、高齢者の病気と思われがちです。しかし、後述するように、アトピー性皮膚炎の合併症として現れるときは、必ずしも年齢のせいとは限りません。子供や若年層でも、発症することがあります。

アトピーが白内障に結びつく理由

全く関係なさそうに思えるアトピーと白内障ですが、アトピーの合併症として白内障を発症することがあるといわれています。確実な因果関係が証明されているわけではありませんが、近年の研究により、現時点では主に2つの可能性が考えられています。

目の周りをたたいてしまったから

アトピーの症状は、まぶただけでなく、おでこやこめかみなど、目の周りに現れやすいことが知られています。特に小さな子供などは、猛烈なかゆみを我慢できず、かゆみをごまかそうとバンバンたたいてしまったり、目を強くこすったりすることもあるでしょう。外部からの物理的な刺激が、目の水晶体を傷付けることにつながり、白内障になってしまうという説です。実際、目に関連するアトピーの合併症には、同じく外部からの刺激によって発生すると考えられている網膜剥離もあげられます。

目にもアトピーの症状が出たから

水晶体は皮膚の仲間にあたります。実は皮膚と同じように、水晶体にもアトピーの症状が出ている可能性が指摘されています。つまり、水晶体が炎症を起こし続けているため、白内障につながってしまうという説です。水晶体そのものは、かゆかったり皮疹が出たりはしないので、見た目にはわかりません。しかし、知らないうちに病気が進行していると考えられています。

白内障の合併を予防するには

かゆみをごまかそうと目の周りをたたくことや、くりかえす炎症が原因なのであれば、アトピーの寛解こそが予防策になります。医師の指導のもと、アトピーの治療を続けることが重要です。

正しく薬を使う

ステロイドなどの薬を正しく使用することは、アトピーの寛解を目指すためには必要です。適量を正しい方法で塗布するようにしましょう。

スキンケアを行う

アトピー患者の皮膚は、バリア機能が低下しています。清潔を保ち、保湿を中心としたスキンケアを怠らないようにしてください。乾燥した肌はかゆみを引き起こしやすいので、うるおいを保てれば症状がやわらぐことにつながります。

環境などを整える

ダニやほこりなどいわゆるハウスダストが原因の一つと指摘されているなら、部屋を丁寧に掃除するなど生活環境を整えましょう。

アトピーの治療については、『皮膚科医に聞く!アトピーのステロイド・ワセリンを使った治療方法』などの記事も参考にしてください。

アトピー性白内障が発症したときの治療法

白内障が発症してしまった場合は、白内障の治療を並行して行うことになります。まずは、進行を止めるために専用の目薬を使う方法があります。しかし、アトピー性白内障には、あまり効かない場合もあるといわれています。ひとまず使ってみて、効果が出るのを期待しましょう。また、水晶体の白濁が進んでしまった場合は、水晶体を取り除き、人工のレンズと取り替える手術を行うこともあります。

「アトピーの基礎知識」の記事一覧

記事カテゴリ

fem.

fem.ヘルスケアが

もっと手軽にアプリで登場!

今日できる。今すぐできる。

健康・キレイ情報を毎日おとどけ。

app-store
google-play